5D Mark IIIを気にしつつ、GH2のHackを試す

mono-logue:EOS 5D Mark IIIとIIの高感度動画比較で紹介されていた5D Mark IIIの高感度動画。ISO12800でこのノイズの少なさは、すごいの一言。僕が良く参考にするEOSHDでも、早速紹介されていましたEOSHD:Astonishing Canon 5D Mark III ISO 12,800 video。
正式発表された5D Mark IIIについては、価格設定の割りには5D2からの地味な機能変更に見え、ネット上の評判はいまいちのようです。自分程度のレベルでは静止画は5D2で必要十分以上ですが、動画については、いわゆるビニング処理での5D2からの解像感の向上を期待しています。さらに、冒頭の動画のように高感度時のノイズ低減も図られるとなると、かなり期待大となります。ただ、この辺は実際の映像を見ないと分かりませんので、特にEOSHDをはじめとする各レビューを待ちたいところです。

5D Mark IIIではALL-IというI-Frameのみで構成されたイントラフレーム方式での圧縮形式が新たにサポートされます。その予習のためGH2でのHackを試してみました。
5D Mark IIIの仕様によるとALL-Iで約685MB/分とあり、約91Mbpsのビットレートと想定されます。EOSHD GH2 Patch VaultでEOSHD Unifiedとして紹介されているAVCHD Intraの設定はビットレートが88Mbpsで、ほぼ同等ですのでこれを使用しました。

試しに遠景の描画に何らかの変化があるかAVCHD 44Mbpsの設定も含め比較してみましたが、画面全体として動きの少ない被写体で、かつ撮影条件が悪かったせいか違いが分かりません。ある程度動きのある映像でないと目立った差異はないのかもしれませんが、それだけノーマルでも十分な画質とも言えるでしょう。
上がAVCHDの44Mbps、下がノーマルの24Mbps
上がイントラフレームの88Mbps、下がノーマルの24Mbps
念のため、GH StreamParserというツールを使い、データ内のフレームの状態を確認してみました。EOSHD Unifiedの88Mbps設定でI-Frameのみで構成されているのが分かります。
ノーマルの24Mbps
AVCHD 44Mbps
AVCHD Intra 88Mbps
I-Frameだけになっているのが一目瞭然
I-Frameだけで構成されることで、保存ファイルサイズも増加します。同じ被写体を撮影した約23秒のクリップで、ノーマルの24Mbpsでは62MB、88Mbpsでは244MBと約4倍程度のファイルサイズとなりました。

GH1のHackでは、安定した設定を見つけるのに苦労したため、Hackした状態で問題なく撮影ができるかを試してみました。推奨されるclass 10のSDカードを使用しています。

まずは、夜の銀座での撮影。10~15秒程度の短いクリップを撮り続け、問題なく撮影できました。
横着をして手持ちでの撮影だったため、手ブレを無くすためAfter Effectsのwarp stabilizerを使用しています。CHANELの文字の前で行き交う人の足元を撮ったシーンはうまく補正できなかったため、ここだけwarp stabilizerをかけていません。

EOSHD GH2 Unified Patch Test:GINZA at night

いくつかのシーンで、ファイルのプロパティで確認したビットーレートを記載しておきます。
マネキンの顔が隠されている 59Mbps
アップルストア前 58Mbps
このシーンはwarp stabilizerで補正できず 52Mbps
桜の造花の細かい動きがあるせいか、81Mbpsと高め
すごく印象的なディスプレイ 65Mbps
立ち止まって見つめる人が結構いました 66Mbps
なぜか81Mbpsとビットレート高め
このシーンが一番ビットレートが高く86Mbps
ヘッドライトなどの光源をぼかしたシーンが34Mbpsと一番低い

次に横浜の臨海パーク周辺で撮影を試しました。あいにくの曇り空でしたが、マリンスポーツのイベントをやっていたため映像に変化をつけることができました。今度は、ちゃんと三脚を使用しています。風に揺れる枝等のシーンでは、最大値に近い87Mbpsのビットレートとなっていますが、データの記録に問題はありませんでした。

Cold and Cloudy : EOSHD GH2 Unified Patch Test


風に揺れる木の枝 87Mbps
今回のベストショット 48Mbps
ぷかり桟橋 46Mbps
さすがに細かい動きのためか、最大値に近い87Mbps
EXテレコン使用 81Mbps
40Mbpsと意外と低め
最も低いのがこのシーンで29Mbps
実際の撮影を試してみましたが、GH1のHackで経験した高ビットレート録画時のフリーズもなく、普通に使えます。撮影直後にデータが再生できない場合がありますが、電源の入れなおしで問題なく再生でき、データの異常もないため実使用として問題ありませんでした。

これからも常用していきます。

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